最近、声優さんの休業やら廃業が話題になって、
声優さんの待遇について関心が高まっているけど、
1人のアニメファンとしての視点で言わせてもらえば、
僕は特に声優さんが使い捨てられているとは見ていない。
むしろ制作されているアニメの本数が年間300作もあるおかげで、
多くの声優さんに仕事のチャンスが与えられて、
非常に恵まれている状態なんじゃないかとすら思っているぐらい。
だから「使い捨て」なんて言葉を使って被害者面して欲しくないと思ってるよ。
「使い捨て」なんて言う人に考えて欲しいのは、
声優の仕事の量に対して声優になりたい人の数なんだ。
アニメの制作本数も放送・配信される数もすでに飽和状態で明らかに供給過剰。
もう視聴者も全部のアニメを見つくせないほど市場にはアニメが溢れている。
これから作られるアニメの本数が減ることはあっても、
更に増えていくなんて考えにくい状況だと思う。
そんな業界に毎年多くの新人が流れ込んできたら仕事の奪い合いになるのは必至だよ。
生き残りを懸けて、アニメを企画・制作する側だって必死だと思うし、
少しでも売上を伸ばし利益を上げようと、いろいろ画策していると思う。
イベントやキャラソンなどアニメに付随する仕事の重要性は増すばかりで、
それに伴って声優に求められるスキルも声の演技だけではなく、
歌唱力やトークスキル、ダンススキルや楽器の演奏力など多岐にわたり、
中には「グラビア大丈夫?」なんて聞かれることもあるのかもしれない。
現状を考えると、声優にとってのオーディションは椅子取りゲームみたいなもので、
数に限りのある椅子を取るためには多少の無理難題はやむを得ないと思えるし。
むしろ今の時代、一つのスキルだけで就職して一生食べていくなんて、
声優の仕事に限らず、どんな職業であっても非常に難しいのかもしれないし。
「私は裏方として顔を出さずに声の仕事だけやりたい」なんて言う人は
現代の声優業界では初めから求められていないのかもしれないし。
声優になった人みんながいつまでも仕事を保証される平和な世界じゃないと思うから、
求められているスキルが無ければ生き残れないのは当然の結果なのかもしれないし。
あと「使い捨てられる現状だと、いつまでも新人が育たない」とか言う人がいるけど、
仕事場で先輩から習うとか盗み取るなんて、声優を目指す人が少なかった時代の話で、
今のように多くの若者が声優を目指す時代は、すでに求められる仕事ができる
選ばれし才能を持って生まれた人だけが生き抜いていける世界なんじゃないかと思う。
レコーディングの現場は戦場であっても学校ではないんだから、
新人育成してもらうような生温い場所ではないんじゃないかと思うし。
待遇が恵まれていない職業を目指す人の数が減らない限り、現状は変わらないと思う。
むしろ、これからアニメ制作本数が減れば厳しさは増すばかりだとも思うし。
誰もがやりたがる仕事の給料は下がり、誰もがやりたがらない仕事の給料が上がる。
ただそれだけの話じゃないかな?アニメだとか声優だけに限った話じゃないと思うし。
だから現状は、競争原理がしっかりと働いている当然の結果なんだと思っているよ。
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